セミナー詳細

セミナー名
海外事業・海外子会社のリスク管理と監査の留意点
〜欧米先進国と新興国における実例検討を交えて解説〜
開催日時 2023年8月2日(水)10:00〜16:00
講師 長谷川俊明法律事務所長 弁護士
長谷川 俊明 氏
会員参加料(税込) 33,000円
一般参加料(税込) 40,700円
ねらい ※こちらは「会場参加」用のお申込みページです。
 オンライン中継をご希望の方は下記より詳細をご確認ください。

 


海外子会社での会計不祥事やデータ流出が相次いでいます。とくに、新型コロナウイルス禍や特定国市場の撤退問題は、適切な減損処理の課題をもたらしました。
海外拠点を狙ったランサムウェアによるサイバー攻撃など、海外事業に伴うリスクは増大しています。リスクを適切にコントロールする仕組みとその不断のチェック体制、監査体制は欠かせません。「リスクあるところ監査あり」で、地域ハブを活用したリモート「ハブ監査」体制を構築するのがよいでしょう。
しかし、法律の異なる海外における日本親会社の位置づけや法的責任にはあいまいさが残るため、監査の手法や体制が十分に確立されていない企業が多いものと思われます。また、海外子会社は現地法で設立される別法人のため、その経営に対する親会社の権限や監視機能が限定されてしまう問題もあります。各論的には新興国における贈収賄防止や、個人データの大量ネット流出防止のEU GDPR 対応が課題となります。寸断したサプライチェーン修復、強化あるいは、ロシア事業の撤退にかかる危機管理対応もあります。
このような状況下では、独立性をもった監査役員(会)の存在と役割がとりわけ重要なものとなり、そのうえで、きめ細かく監査を進めていくためには、内部監査部門が往査など実務を担当し、監査役員(会との)連携を進める企業も多いなか、また、AIをリスクの洗い出しなど海外事業監査にどう活用するかも検討すべきです。
本セミナーでは、監査役・監査等委員・監査委員(監査役員)および内部監査部門の方々を対象に、監査体制(ハブ監査システム)の構築のしかた、実際の監査のすすめ方を解説し、最近の不祥事も参考にしながら欧米先進国と新興国との比較による実例検討を行います。
プログラム内容 T.海外事業のリスク管理と監査の重要性
 1.ますます高まり多様化する海外事業からくるリスク
 2.リスクの“防波堤”としての海外現地法人の役割チェック
 3.日本親会社監査役・監査等委員会・監査委員会(監査役員(会))による
   「ハブ監査体制」および内部監査部門の“活用”
 4.M&Aによる海外子会社取得の“失敗”事例分析とPMIの課題
 5.新興国における贈賄事件と日本法の域外適用、「司法取引」とリニエンシー対応
 6.SDGsをESG経営にどう取り込むか
    …パンデミック対応などサプライチェーンの危機管理、強化とBCP・監査
 7.ランサムウェアの攻撃をどう防ぐか

U.海外事業のリスク管理と監査のポイント
   …アフターコロナの「ハブ法務・監査」

 1.海外事業のリスクの洗い出しと「リスクマップ」の作成
 2.海外事業監査の「基準」
    …誰が何を誰がどこまでどうやればよいか
 3.海外事業監査の体制
 4.「チェックリスト」、「アンケート調査」、「ヘルプライン」の活用

V.海外事業監査の内容と方法
 1.日本親会社における「監査項目」
 2.海外現地における「監査項目」
 3.海外子会社「監査」の効果的方法・体制
    …「現地監査機関」や「日本の内部監査部門」などとの連係
 4.事前準備のすすめ方
    @質問項目の英語や現地語による
    A日本の海外事業部門を通じた連絡、など
 5.リモート監査体制の整備
 6.EU GDPRを意識した個人データの大量ネット流出を防止するための情報管理内部統制、
   データガバナンスの監査

W.海外子会社のリスク管理と監査の実際
   …欧米先進国と新興国との比較による実例検討

 1.海外子会社のリスク管理…設立から撤退まで
 2.海外子会社に適用される法令とBREXIT、TPP、NAFTAの動向、影響
 3.持株会社の活用によるグループ内部統制
    …「ハブ監査」とは
 4.海外事業再構築とコンプライアンス体制
    ⑴海外事業の「選択と集中」、再編・整理、撤退に伴う法律問題
    ⑵中国独占禁止法、労働法のコンプライアンス問題
    ⑶アメリカにおける事業再構築とチャプター11の活用
 5.海外子会社における監査体制とCSA
 6.海外子会社における不祥事と日本親会社、役員の責任と役員兼任
 7.日本親会社と海外子会社間の取引、資金移動、移転価格に係るコンプライアンス体制

X.実務上の諸問題と対応ポイント
 1.持株会社による地域統轄ハブ法務・監査の有効性
 2.日本親会社の役員と現地子会社の役員兼任リスクと本社主管部門の関与
 3.「子会社調査権」の海外子会社に対する行使
 4.日本法と現地法がバッティングする場合の対応と「ハブコンプライアンス体制」
 5.海外子会社と日本親会社間の適切な決裁権限分配
 6.海外子会社とのE・メールによるコミュニケーションとディスカバリー対応

Y.質疑応答

○長谷川俊明先生著書「海外子会社のリスク管理と監査実務(第2版)」を教材として配布いたします。

※最新の動向・情報を織り込むため、内容を一部変更させていただく場合がございます。

講師プロフィール 長谷川俊明法律事務所長 弁護士  長谷川 俊明 氏


早稲田大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士課程修了。ニューヨーク、ロンドンの弁護士事務所勤務を経て現職。元司法試験考査委員(商法)。
涉外弁護士として企業法務全般、リスクマネジメント、国際訴訟等を中心に、セミナー、執筆等に活躍中。上場企業の社外役員も務めた豊かな経験をふまえた実践的な指導には定評がある。

著 書----------------
「海外子会社の契約書管理」「海外子会社のリスク管理と監査実務」
「利益相反とファイナンシャル・ビジネス」「内部統制が求める評価・監査体制」
「グループ経営の内部統制」「個人情報保護法と企業の安全管理態勢」
「リスクマネジメントの法律知識(第2版)」「海外進出の法律実務(改訂版)」
「業務委託契約の基本と書式」「データ取引契約の基本と書式」
「個人情報保護・管理の基本と書式」「取締役会の運営と経営判断原則」「サプライチェーン契約の基本と書式」他多数。

対象 監査役・監査等委員・監査委員・内部監査部門の方々
経営企画および国際事業部門の方々など
会場 日本経営協会内専用教室
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-11-8
会場地図 会場地図はこちらをクリック
会場電話番号 03-3403-1891
会場FAX番号 03-3403-1130
問合せ先 企画研修グループ
担当者 中村
E-Mail tms@noma.or.jp
電話番号 03-3403-1891
FAX番号 03-3403-1130
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