セミナー詳細

セミナー名 【行政管理講座】
自治体監査の実務ポイント・ノウハウ修得セミナー
開催日時 2019年7月22日(月)13:00〜17:00
2019年7月23日(火)10:00〜16:00
講師 福岡市南区 生活環境課長
(元:福岡市監査事務局 第2課長) 馬場 伸一 
会員参加料(税込) 31,320円
一般参加料(税込) 34,560円
ねらい ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 高齢化と人口の減少局面に入った我が国において、税収の伸びはもはや期待できず、どの自治体もほぼ例外なく厳しい予算削減・人員削減のただ中にあります。人手が減ることで業務は一層煩雑化し、一昔前とは比べものにならない重い負荷が現場の職員一人一人にのしかかっています。同時に、公務員に対する納税者の視線も厳しさを増し、公共部門におけるコンプライアンスや内部統制が今まで以上に求められるようになってまいりました。
 こうした厳しい状況の中、自治体職員を業務上の様々なリスクから守り、業務プロセスをより効果的かつ効率的なものに変えていくための手段として、自治体監査の重要性がますます高まりつつあります。
 また2017年には、監査委員の権限を強化する地方自治法の改正が行われ、監査という仕事の重要性が公的にも裏打ちされたといえます。この重い社会的使命を果たしていくため、監査委員をはじめ監査事務局の職員が十分な知識を習得し、実効性のある監査を行っていくことがますます不可欠となっております。
 本セミナーでは、福岡市監査事務局で監査の最前線に長年携わった 馬場 伸一 氏 を講師として、担当者が知っておきたい様々な知識や実務上のポイントについて、現場の実情や豊富な経験にもとづくノウハウも交えながらわかりやすく解説いたします。
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プログラム内容 監査という、尊く、困難な仕事 ‥にもかかわらず、尊敬されない、因果な仕事
本来、監査は魅力的な仕事
最初に:自治体監査の「使命」について
大転換期にある現在 Era of Great Transition

・既存の「仕組み」「仕事のやり方」がことごとく「賞味期限切れ」を迎えている、今の時代
・成功は失敗のもと〜大成功した高度成長システム ⇒政治と行政が弛緩
・高度経済成長の副作用=利益分配政治の風景
・「始まった時代」=普通の国 〜お役所「大炎上」史 〜
・利益分配政治の時代に監査が機能しなかった理由「安全地帯での間違い探しゲーム」
・自治体監査が衰微していた時代の「劣化した指摘」の典型
・規律と知恵が求められる「普通の時代」、監査の出番!
・政府特有の弱点「コスト意識の欠如」 ミルトン・フリードマンの教訓または偏見
・マーケットに代わって、政府における不正・不当・不合理・非効率を人為的にチェックするのが、監査!
・監査は、あなたの市役所の、たった1人のホームドクター
・世界が驚く日本人の底力 やれば、できる

T.自治体監査とは
・監査委員制度の沿革 徐々に拡大してきた監査委員の権限
 平成29年地方自治法改正  監査事務局職員の悩み
・監査事務局が「つらい」わけ
 @専門性の不足 A利益相反的要素 B現実とルールの乖離 (内部統制の仕組みの不備)
・今、監査の時代!
(1) 人口減少時代の行政運営
(2) リスク高まる役所の日常業務。全国の役所で起きつつある「業務崩壊」
(3) 「隠蔽」が不可能な時代
(4) 「前例踏襲」が危険となる時代
(5) 「職員を守る」監査
(6) 「仕事を改善する」監査 = ともに考え、改善する監査

U.監査の種類と実務
(1) 定期監査
  「職員を守るために」 実査で押さえておくべきこと
   本当に悩ましい 「指摘」 の基準。〜あまり良くない指摘いろいろ〈例〉
  「ルール・仕組み」に対する監査こそが「内部統制監査」
(2) 行政監査 行政監査は面白い!部局またがりの事案に最適
(3) 出資団体監査・財政援助団体監査 リスクは辺縁にあり
(4) 指定管理者監査 指定管理はリスクの塊 特に,安全管理と現金管理
(5) 住民監査請求 〜それはいつも、突然やってくる!
(6) 決算審査
(7) 例月出納検査
(8) 措置報告

V.実査のノウハウ
  監査初心者のために
(1) 予備知識を習得する
(2) 事前準備をしよう!
(3) さあ、実査だ(ノウハウいろいろ)
(4) 復命書の作成
(5) 事務局内協議〜タフでエキサイティングな報告会
(6) 被監査部局への照会「事実確認」とその回答
(7) 指摘文・指導文の作成、指摘事項整理
(8) 指摘事項決定 (事務局原案作成、監査委員協議)
(9) 局長協議、代表協議・委員協議
(10) 講評、公表(記者レク)「良い監査は流血を伴わない」
(11) 監査記録の保存と整理

W.ハイ・リスク分野について (リスク・アプローチ)
(1) 「絶対やってはいけない」事務処理の事例(いわゆる不正経理)
(2) 「やってはいけない」事務処理の典型例
(3) 「統制の空白」に気をつけよう!&防止策

X.財政健全化法
(1) 夕張市巨額粉飾 − マーケットを震撼させた2006年の「夕張ショック」
(2) 夕張市粉飾の手口
(3) たった一年で制定された「財政健全化法」・2007年6月施行
(4) 財政健全化法の概要
(5) 審査のやり方。とにかく、財政課とスケジュール協議!

Y.地方自治体の内部統制
(1) 内部統制 (internal control) とは
(2) 米国発の「内部統制」。29年自治法改正により県・政令市に報告書作成義務
(3) 内部統制の目的:要するに「ブレずにサクサク仕事する仕組み」
(4) 内部統制の6つの基本的要素
  「統制環境」「リスクの評価と対応」「統制活動」「情報と伝達」「モニタリング」「ITへの対応」
(5) 地方自治体における留意点
  @完璧な内部統制はない A全く新しい取組をするものではない B過剰な統制はかえって問題
  (コスパが大事) C団体規模に応じてフレキシブルに D外部化した業務への統制
(6) 平成29年度地方自治法改正

監査の使命 監査は役所の主治医である

※一部内容を変更する場合がございます。予めご了承ください。
講師プロフィール 福岡市南区 生活環境課長
(元:福岡市監査事務局 第2課長) 馬場 伸一 

 1982年東京大学法学部卒業後、福岡市役所に奉職。総務企画局国際部福岡アジア文化賞室長、監査事務局第2課長等を経て現職。米国ポートランド州立大学ハットフィールド政治行政大学院MPA(行政経営学修士)、総務省「地方公共団体における内部統制のあり方に関する研究会」委員(2007〜09年)、市町村アカデミー「監査の実務」講師(2010年〜)、自治大学校「監査・内部統制専門課程」講師(2016年〜)。

【論文等】
・「地方財務」2019年3月号「指定管理者監査の実務ポイント」
・「地方財務」2019年4月号〜「自治体監査の実務ポイント」
対象 全国地方自治体の監査(委員)事務局のマネージャー・担当者を中心に、
行政改革担当課、公営企業局(上下水道・交通・病院等)の総務・経理部門 ほか

※本講座は地方自治体職員ならびに議員のみを対象としております。
備考 《受講にあたって》 第一日目(7月22日)の講義終了後、講師を交えた懇親交流会を開催いたします。
参加券に同封の申込書へご出欠ならびに必要事項を記入いただき、
7月11日(木)までに本会宛FAXにてお知らせ下さい。
(会場・負担金等の詳細につきましては追ってご案内いたします)
会場 日本経営協会内専用教室
東京都渋谷区千駄ヶ谷3−11−8(セミナー受付は3階です)
会場地図 会場地図はこちらをクリック
問合せ先 公務研修グループ
担当者 小林
E-Mail tks-mousikomi@noma.or.jp
電話番号 03-3403-1891
FAX番号 03-3403-1130
パンフレット(PDF) パンフレットはこちらをクリック
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